出汁の専門店 ぜにや

長良橋通りと柳ヶ瀬の北側を東西に走る若宮通りの交わる交差点の北東角にあるのがぜにやさんです。それほど高いビルでもないのですが、ビルの上の「ぜにや」という看板が目印になって、私にとっては長良橋通りのランドマークなんですよね。

さて、このぜにや、岐阜では老舗中の老舗なんです。なんと、天保3年(1832年)創業というから100年なんて軽く超える老舗企業です。東海道と中仙道に近い地理的な強みを活かして、創業当時は信州や甲州への商いをしていたのだとか。店舗では、鰹節をはじめとして、昆布や干し椎茸など乾物を扱ってらっしゃいます。そのほかに紅茶や調味料なんかが販売されています。ちょっといいものを売っているというお店です。

ここで何より驚くのは、本枯れ節の鰹節が売っているんですよね。鰹節の削り器まで売っています。パックに入った削り節ではありませんよ。子どものころ、実家に鰹節の削り器がありましたが、それ以来削り器なんて見たことなかったし、もう何年も削り節のパックしか見たことがありませんでした。ぜにやさんには鰹節1本1本が、ごろごろと売っています。さて、この鰹節ですが、なんと、お店では削り器の削り体験ができるそうです。興味のある方は、お店の方に声をかけてください。鰹節以外にも、昆布もいろいろな種類が売っていて、ぜにやは、まさに出汁の専門店です。

お店に行っても、それほど混雑している様子はなく、もうかっているのかなと思ってきたのです。でも、ネット販売もされていますし、婚礼の引き出物や料亭への卸などが本業のようで、店舗販売は主力ではないようです。

私がこちらで購入するのは、本枯れ節を使った出汁パックです。鰹節1本まるまる売っているのは珍しいけれど、働く主婦に鰹節削っている暇はありません。世は時短が主流ですから、それでいて本格的な出汁が取れる出汁パックは私の強い味方です。節約本で読んだのですが、食材がリーズナブルでも調味料にいいものを使うと満足感が上がるとあったので、取り入れています。おいしい出汁を使うと塩分を減らしてもおいしく感じるともいいますからね。

和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて、和食に欠かせない出汁が注目されている昨今です。岐阜の老舗の出汁専門店にぜひ行ってみてください。

所在地 岐阜市神田町2-9

電 話 058-264-0800

時  間 午前10時から午後6時まで