コロナまとめ

クラスター発生前の感染推移

岐阜県内の感染者第1例目は、2020年2月26日に感染が判明した大垣市在住岐阜市勤務の男性でした。 とうとう感染者が出たか!と緊張が走りました。その奥さんも感染 していました。そこから次々と感染者が判明したわけではなく、この次は3月17日に岐阜市の方の感染が判明しまし、20日という期間があってからでした。 感染者は50代の男性で、同月4〜9日にアメリカニューヨークへの渡航歴があったそうです。 3月22日、23日には各務原市の20代のご夫婦が同月8〜17日までフランス、スペインへの渡航歴があったそうです。同じく3月23日には、岐阜市在住の30代女性の感染が判明し、同月9〜12日フィリピンへ渡航していたそうです。同行者の男性の感染が翌日24日に判明しました。

クラスターの発生

 以上の感染者の方々まではよく覚えていたのですが、 可児市での2つの合唱団とスポーツジムでのクラスターが発生し、岐阜市のナイトクラブ「シャルム」と高級料理店「潜龍」のクラスターも発生してからは、劇的に感染者が増えて、毎日感染者数に驚くばかりで、 細かいことはもう分からなくなりました。 気がつけば岐阜県は緊急事態宣言における特定警戒都道府県となってしまいました。岐阜県でクラスターと認定されたのは4つです。可児市のものを除けば岐阜市が関連しています。

可児市の2つの合唱団とスポーツジム

3月22日に可児市の70代の男性が陽性と判定されました。これが可児市の合唱団とスポーツジムを舞台とするクラスターの始まりでした。スポーツジムの利用者の家族を含め18名が感染しました。これには県外の方4名も巻き込まれました。

ナイトクラブ「シャルム」

可児市のクラスターに気を取られていたら、岐阜市のナイトクラブ「シャルム」でクラスターが発生したのです。 最初に陽性と判明した方が出たのは3月31日でした。さらに翌4月1日に従業員の女性と利用客の方の陽性が判明します。そして4月2日には、県外の2名と従業員2名の感染が判明して、4月3日に岐阜市はクラスターの発生を公表しました。 そこから感染が拡大し、総計47名が感染しました。これは、お店のお客さんと従業員はもちろん、その家族、同僚、同じビルの別の飲食店のお客さんと従業員にまで広がるというものでした

高級料理店「潜龍」

  シャルムの直後に発生したのが、高級料理店の潜龍です。岐阜では珍しく松阪牛が食べられる有名なお店です。 こちらで最初に感染が確認されたのが4月7日です。80代の女性でした。4月9日には従業員6人の感染が判明し、従業員の家族とお客さんを含めて総勢14名が感染しました。

岐阜市と羽島市の会社

 岐阜市と羽島市の会社でもクラスタが-発生しました。この2つの会社は業務上従業員同士が触する関係にあったそうです。4月9日に70代の従業員の方の感染が判明したのを皮切りに、それぞれの会社の従業員とその家族総勢11名が感染しました。岐阜市と羽島市の会社と言いながら、感染者の居住地は岐阜市と各務原市で羽島市の方はいなかったのです。

クラスター以外の感染者

 クラスター関連の感染者は90名です。この中には県外の方も8名カウントされているので、岐阜県在住の感染者は82名です。ということは、クラスターに含まれない感染者が68名いらっしゃいます。この中で、他県の感染者の接触者として感染が判明した方が6名です。68名から6名を除くと62名になりますが、この方々は家族内での感染であったり、職場内での感染だったりして、クラスターには認定されていないものの2人以上が感染したケースが多々ありました。

まとめ

 感染者のうち、欧米への海外渡航歴のある方や岐阜県以外の都道府県の陽性者と接触した方は感染経路の推測ができますが、たとえクラスターが発生したとしてもその発信源は公表されているものを見てもよく分かりません。クラスター内で最も早く陽性が判明した方が発生源かというと、潜伏期間が人によって違うことを考えると、そうとは言えません。また、岐阜県内の感染者の分布図を考えると、奥美濃地方や飛騨地方には感染者が出ていません。高山市や白川郷などは、外国人、日本人問わず観光客が多いにもかかわらず感染者がいないのです。また、病院や介護施設など感染リスクが高いところで感染が広がりませんでした。これから自粛の緩和に向けた動きが本格化しますが、行政はこういった点を踏まえて、私たちがどのような行動をとるべきかを示すこととそれを発信していくことに努力してほしいと思います。